twitterとは

2010. . 01
職場の上司に、「twitterって何?」と聞かれて、速攻、メールでこれ読んだらわかりますと、ウィキペディアのアドレスを送りつけた、出世できない系女子です。

でも友だちやマイミクさんからも聞かれることが多くなったので、ここにまとめておくことにしました。
個人的な考えや所感が入ってますが、ご参考に、というところです。


はじめに

twitterとは、自分専用の画面(タイムライン)に、自分が気に入った人の発言を表示させていくこと。
反対に相手に気に入られると、相手の専用画面に自分の発言が表示されていきます。


ある人を気に入って、自分のタイムラインにその人の発言を表示させることをフォローする、その反対に相手のタイムラインに自分の発言を表示されることを、フォローされるといいます。


とにかく、登録したら面白いことを言う人を狙って、フォローしていきます。
そうすると、自分のタイムラインに、その人の発言が表示されていきます。
自分が面白いと思う人をフォローすればするほど、面白い発言をたくさん読むことができます。

また、自分の気づいたことや思ったことを140文字以内で発言すると、それを面白いと思った人にフォローされます。
うまくいくと、全然知らない人と趣味や興味のある話題で盛り上がれます。

mixiと違うのはフォローしたり、フォローされたりするのに相手の同意がいらないことです。(拒否することも可能ですが)
そして、その速さ。mixiの何倍ものスピードで言葉が目の前に展開されていきます。


twitterをするのに必要なもの

自分が興味のあることがらを明確にすること
これがなくてtwitterをすることは難しいんじゃないかと思います。
自分のほしい情報をこれと決めて、それを流している人をフォローするのが第一のステップです。
第二は自分が持っている情報(感想でもなんでもいい)を流すこと。
それに反応しあうことで、また新たな発見があります。

ある程度まとまった時間
最初、慣れるまでは少し時間がかかります。(特にwebに慣れていない人)
ある程度まとまった時間をとって、他人の発言を見たり、あれこれ触ってみるのがいいでしょう。

はまってしまうと、一日のうちの数パーセントかは取られてしまいます。
個人的にRSSでニュースを見る時間と、読書時間が減りました。
結構多くの人が(個人的な感覚値かもしれませんが)今までの情報取得方法がいくらかtwitterに置き換わってしまったとつぶやいていらっしゃいました。

何が面白いのか、役に立つのか
人ぞれぞれなので、あくまでも個人的に感じたことです。

情報が他のメディアに比べてたくさん、早く得られること

その理由は
1、140文字の文字数制限があるから発言しやすい。
ブログよりも簡単に投稿できるので、今まで時間がなかった人も、めんどくさかった人も簡単に発言できます。
発言しやすい分、情報量が増え、そのスピードも速くなります。


2、利用者数が多い
2009年6月では約320万人(全世界では約1.1億人)、まぁmixiは約1,792万人だから日本ではmixiの方が多いようですね。しかし、全世界で比べるとtwitterの方が多くなります。
また、有名人たちも参加して発言しています。鳩山由紀夫、オバマ大統領、オノ・ヨーコなど。
個人的な所感としては、大学教授やマスコミ関係の方の利用率が高いように感じます。

ちなみに、有名人をフォローしても面白いとは限りません。有名人が必ずしも自分にとって興味深いというわけではないし、その人が興味深いとしても、必ずしも発言自体が面白いわけではないようです。(おはよう、といったあいさつや、今渋谷で商談中、とか近況報告されてもどうかと思うことがあります。個人的に)


新しい形の人とのつながりを得ることができる

他人の発言を見て、それに反応し、また他人に自分の発言をみせることで、同じ意見を持つ人と緩やかなつながりができてきます。
時間や年齢、性差、社会的地位、居住地区、そして肉体を超えて、言葉だけで、もっと言えば脳みそでつながりあっているような感じです。
そこから得るものは人それぞれでしょうが、わたし自身はとても世界が広がったように思えました。


最後に言いたいのは

習うより、慣れろ

です。以上。


参考サイト
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/Twitter

twitterのマイページ
http://twitter.com/moru0923


ピンクガールズ ―横尾忠則@ギャラリーsix―

2010. . 25
わたしの好きな現代アーティストの2トップは、草間彌生と横尾忠則。
どちらも変化を追い続けるのが楽しく、自分の感性や感覚(生理)から作品を作っていること、作品に圧倒的な強さがあることに強く惹かれている。

その2人をピックしたギャラリーが、心斎橋にあるコムデギャルソンのsix。

コムデギャルソン自体もとても好きなブランドだけれども、どうせ服屋のギャラリーだしと、ちょっと舐めてかかっていったら、見事に返り討ちにあってしまった。


旧作と、描きたてほやほや(今年1月)の新作含め、24点がピンクの壁に遠近感を意識して大きな作品が手前に、小さな作品が奥に展示されている。
空間を仕切るのは、鮮やかなブルーの二本の柱。

ピンクガールズは、横尾忠則が画家となった当初から描き続けている、女性の猥雑さを赤裸々に描いた作品で、描かれた女性たちの肌はピンク。そして多くはブルーの空が背景に描かれる。

空間の色彩のコントラストと作品の中のカラーが見事にマッチした、不思議な空間。

ピンクガールズは、横尾忠則が子供のころに見た女性たちの、決してそれは美しくセクシャルなだけれはなく、生物としての生々しい、汚れた部分も入り混じっている裸を見たときに感じた印象をもとに描きつづけられている。

1960年代に描いたピンクガールを、2000年になってもモチーフは変えずに、背景やまわりのものを少しづつ変化させて描き続けているのは、その最初に感じた少年の気持ちを忘れずに、再確認するためということだ。


あっけらかんと、乳房やよだれ、脇毛や陰毛をさらけ出した女性たちは生命力のかたまりそのもの。ピンクガールズたちは、わたしの中の生命力を揺さぶり活性化してくれるように感じるから、個人的にとても好きなシリーズ。



キャンパスに描かれた年代と実際の制作年が違ったり、同じモチーフでも違う部分があるので、それを見極めようと作品を行きつ戻りつして堪能し、ギャラリーの人に質問をすると、色々とお話をきかせてもらった。
最新作の「壺を持ったアラビアの女」は展覧会の数日前にできあがり、ぎりぎりでパンフレットにしたこと、横尾氏が天井をブルーにしようと言ったけれど、消防法のためできずに柱にしたこと。。。。

コムデギャルソンのギャラリーはここ一か所だけ。
東京ではいくらでも他がやっているから、大阪でやろうということになったらしい。
そしてやるなら、中途半端なことはできないと、この空間。素晴らしい心意気。

美術館とは違う雰囲気で、横尾忠則の作品を楽しめ、幸せな体験をさせてもらい、コムデギャルソンもとても好きになった。

2月以降、雑誌にも情報が掲載されるということで、今がこの空間をゆっくり楽しめるチャンスらしい。

今後の展開も、気になるギャラリーsix。

次のアーティストは?ときいてみると、
「うーん、誰にしましょうかねぇ・・・」
ということだった。

こういう感じがまた、いいんだな、これが。


↓ギャラリーのサイトがなかったので、地図。
http://www.commes.jp/map/garconso.html



















放火魔 ―「よみがえる壁画たち レオノール・フジタ展」@大丸ミュージアム神戸―

2010. . 19
神戸の大丸ミュージアムでやっている「よみがえる壁画たち レオノール・フジタ展」に行ってきた。

昨年、没後40周年を記念して開催された藤田嗣治(レオノール・フジタ)の関連展示ということで、長い間行方不明になっていて、丹念に修復された2対の壁画が展示の目玉となる。

北海道でこの作品が、日本初公開されるときに、本当に見たくて北海道まで行こうかなと思ったぐらい、強い思い出この壁画のことを望んでいたら、ちゃんと関西まで来てくれた。

美術作品は、一度強く心にとどめると、不思議と出会うチャンスが巡ってくるから不思議だ。


藤田嗣治に、思いを寄せるようになったのは、数年前に京都国立近代美術館で行われた回顧展がきっかけ。
フランスに行く前の端正だが弱さと脆さを含んだ作品から、フランスで賛美された、退廃と清純さがないまぜになったような「白乳色の肌」、冷徹な眼差しを感じる戦争画、沖縄で描かれた苛烈な色彩の作品たち、晩年の綿密な筆致に思いつめたような気持ちがこもった、礼拝堂一面を飾る宗教画。

多様な表現を次々とこなしていく彼の作品世界にすっかり呑まれてしまった。

どの様式も好きだけれど、ピカソ、パスキン、アンリ・ルソー、キスリング、モディリアーニと、狂ったように天才を生み続けた時代のパリにおいて名声を確立した、いわゆる「乳白色の肌」には言葉を尽くしても尽くしても足りぬ魅力を感じる。

白といっても、味気のないプラスティックの白ではない。少しだけ土の感触を感じる素焼の白い磁器のような、ニュアンスに富んだ白は、墨を薄くぼかしたような灰色の陰影がところどころに施されている。
それが、肉体の微妙なうねりやくぼみを作り出す。
ほんの僅かに色づけられた乳首と唇の薄薔薇色は、しかしその白と薄いグレーのコントラストの中では、あやしく目からしみ込んできて、ゆっくりと目の奥をとおって脳に侵食してくる。
美しい朝の光の中で見る夢のように情緒的な肉体の色にしなやかな形を与えるのは、硬質で鋭利な細い輪郭線。
乳白色の肌の女たちを前にすると、まわりを流れる時間が明らかに変化する。

こういう甘く官能的な作品は、誰にでも好かれる。甘い蜜に人々が群がるように彼には次々とオファーが舞い込んできたようだ。
しかし、そのオファーをすべて断って制作した作品が、今回一番見たかった壁画、「構図」と「闘争」


「構図」は肌の色の違う人々や動物たちががほぼ裸体に近い姿で、絡み合うように配置されている。退廃的で倦怠的な空気が流れている。

対して「闘争」は同じ群像図であり、人々が絡み合っているものの、激しくお互いの肉体をぶつけ合っている。

藤田嗣治がいままで出会ってきた、自身が尊敬するアーティストたちへのオマージュとしてこの作品は描かれたということだが、確かに闘争の肉体にはミケランジェロを、優美な憂鬱にはボッティチェリを、人々の肉体の絡まりあいにはルーベンスを・・・過去の偉大なアーティストたちを力技で、自分の確立した様式にねじ込んで取り込むような野蛮な勢いに、見ている側が圧倒される。

これらの作品を野心作、としてなんと言おうか。

白乳色の肌の下には、烈火のごとく燃えたぎる野心と情熱がある。

こんな作品を見ると自分の心に問いかけてしまう。ここまで魂が燃えるような思いをして、何かをしたことがあるかと。
心がじりじりと焦がされていくような気分。

この展示の横に書かれていた、藤田嗣治自身の言葉によると、この作品を当時の妻に残して彼はフランスを去り、日本に戻って行った。
財産などは残せないけれど、自分が全身全霊をかけたこの作品だけは残していくと、そう記していた。

もうすでに、彼には新しい女性ができていたようだから、その言葉がどれだけ熱いものだったかわからないけれど、しかしこの作品と、彼の言葉は、残されていく女の心を燃やし続けたのではないだろうか。
悪質な放火魔のような男だ。


藤田嗣治は、常に苛烈に創作し続けた作家だと思う。
でもこの時期の作品から匂い立つ炎の匂いは特に、恥ずかしいぐらいにわたしの心を揺らすものがある。



2009年アートまとめ!

2009. . 31
毎年恒例(2年目だけど)、2009年の美術展ベスト発表。
ちなみに年賀状はまだ完了してない!

今年はベスト5でいきたいと思う。

【5位】「宗教+アート=Life 堂島ビエンナーレ2009
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-393.html
世界の、ガンガンに政治的な匂いのする現代アートの今を、肌で感じたときの、ひりひり感は印象的。

【4位】してやられた@「杉本博司 歴史の歴史」大阪国立国際美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-349.html
もーこれ、入れておかないわけにはいかないでしょう。
自分の中のアートの概念がビンビン震えた。高松宮殿下記念世界文化賞も受賞した時の人。


【3位】「大岩オスカール 夢見る世界」高松市立美術館
感想はなし。
オフィシャルサイト
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/kyouiku/bunkabu/bijyutu/special/21-2.html
東京であったのがようやく西日本にまわってきたので、高松まで行っちゃった展覧会。
彼の絵画世界には心地よいノスタルジックを感じる。幼い日、夢を語る少年の言葉に、隣に座ってそっと耳をかたむけているような。

【2位】北の国でラブラブショー 青森県立美術館×十和田市美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-426.html
企画展というよりも、ふたつの美術館がバスでつながれたのがよかった。連携プレーと常設展の良さが印象深かったのでランクイン。

【★1位★】
めだかの影響@未完の横尾忠則 ―君のものは僕のもの、僕のものは僕のもの― 金沢21世紀美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-388.html

ほぼ日でブログストーキングしているぐらいのファンではあるけれども、それを抜きにしても。
どんどん変化していく彼の作品が今、まさに目の前で成長を遂げているのを見ることができたときの感動は忘れられない。2010年も関西で個展があるとちらりと聴いたので今から楽しみに。

【次点】
★ひとりになりたい@「ウィリアム・ケントリッジ 歩きながら歴史を考える」京都国立近代美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-406.html
★ヴェネツィア奮闘記@やなぎみわ×建畠晢 大阪国立国際美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-379.html

【総括】
あらためて見返してみると、今年は現代美術一直線だった。
そして、やっぱり自分はアートの数あるジャンルの中でも絵画が一番好きなことを再認識。
全身で体感するインスタレーションも好きだけれど、じっくりと時間をかけて目で表現を追っていく感じが好き。
見返してみて意外だったのは、ちょっと少年ぽいものに自分の心が惹かれているみたいだ。横尾忠則、大岩オスカールに惹かれているあたり、今まで気づかなかった感触。この感じが自分のなかでどう発酵していくか楽しみ。

しかし一番の発見は、アーティストと製作した場所との関連性だろうか。
アーティスト・イン・レジデンスといって、アーティストが美術館などの公的機関にひとつの土地に招聘されて、そこで土地にまつわる作品を制作するという事業がある。そうやって制作された作品たちは、アーティストが作り上げてきた個人的体験と、土地の持つ歴史や文化が交じり合って、とても面白いものができる。
その面白さに気づいたのは、横尾忠則と金沢21世紀美術館、大山崎山荘美術館の伊東存、須田悦弘、山口晃など。
2010年はそれを意識的に追っていきたいと思う。

そして2010年も懲りずに、アート日記続けていく予定です。よい展示や作品は少しでもたくさんの人にその存在を知ってもらいたいと思います。
今年はもう少し、読んでもらうことにアグレッシブになりたいと思います。
内容についても試行錯誤を続けますが、今年は読者1000人と定量の目標も打ち立ててみました。

それでは、来年もみなさんに素敵なアートとの出会いがありますように!


★2009年行った(感想書いた)展覧会はこちら。

北の国でラブラブショー
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-426.html

ズル上手い  京都国立近代美術館「ボルゲーゼ美術館展
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-425.html

もし足をなくしたら@「医学と芸術」森美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-424.html

響き ―「睡蓮池のほとりにて」大山崎山荘美術館―
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-422.html

男の子はお砂糖でできています@蜷川実花ー地上の花、天上の色展」西宮市大谷記念美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-418.html

おもろいなぁ 「動物的 小金沢健人」猪熊弦一郎記念美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-16.html

余韻を感じる@「猪熊弦一郎展 ○×○×」丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-17.html


海の匂いがする@神戸ヴィエンナーレ
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-417.html

過酷な要求@「クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」サントリーミュージアム
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-416.html

エロスとタナトス
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-413.html

ひとりになりたい@「ウィリアム・ケントリッジ 歩きながら歴史を考える」京都国立近代美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-406.html

だまされたいの!@だまし絵展 兵庫県立美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-405.html

いやらしいのが面白い@ART OSAKA 2009
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-394.html

宗教+アート=Life
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-393.html

もっと宗教のお勉強を! 京都と大阪のルーブル展
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-392.html

スメル -匂い- 豊田市美術館「ジュゼッペ・ペノーネ」
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-391.html

めだかの影響@未完の横尾忠則 ―君のものは僕のもの、僕のものは僕のもの―
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-388.html

2009年夏、関西アート旅行
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-387.html

京都ぎらい@「前衛都市・モダニズムの京都」京都国立近代美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-380.html

ヴェネツィア奮闘記@やなぎみわ×建畠晢 大阪国立国際美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-379.html

よくできたお弁当@「ピカソとクレーの生きた時代展」兵庫県立美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-374.html

オタクですみませんね@「イタリア美術とナポレオン」京都府京都文化博物館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-369.html

ふたつの欲望@「都築響一 着倒れ方丈記」京都国立美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-368.html

なまめかしい布の表@情京都国立近代美術館 「ラグジュアリー ファッションの欲望」
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-367.html

白刃のような筆致@「妙心寺」京都国立博物館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-350.html

してやられた@「杉本博司 歴史の歴史」大阪国立国際美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-349.html

「二股、三股」@森美術館「万華鏡(カレイドスコープの視覚)」
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-6.html

記憶の洪水に襲われる@「アーティスト・ファイル2009」国立新美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-8.html

日々の泡沫
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-9.html

一気に洗濯!@MAYAMAXXライブペイントat建仁寺
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-30.html

ジビエの自慢@「ウィーン静物画の秘密展」兵庫県立美術館 
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-53.html

知的な少女趣味@[上野伊三郎+リチ コレクション展」京都国立近代美術館
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-59.html

2008年アートまとめはこちら
http://morucco.blog22.fc2.com/blog-entry-88.html
※リンク先はmixiです。

北の地で眠るワイン

2009. . 31
最近、旅行の仕方がパターン化している。

単独。
日が暮れぬうちは美術館。
日が暮れたらお酒。
自分が食べて、人も食べることを前提にお土産を買う。
旅の感想はまわりの人にしゃべりまくる。
それでも飽き足らずに日記に書く。


一人旅は10年近く続けている。その間100回ぐらいは「寂しくないんですか?」と聴かれてきて、面倒くさいので「さみしくないです」と適当に答えるけれど、本当は寂しいこともある。
孤独とか寂しさは消滅するものではなく、いつも心の中の定位置を占めているから。
旅は環境をかえて、自分に集中できる絶好のチャンス。それに上手く没頭できたら、寂しさのことは忘れてしまう。
そして、旅に目的があったらその目的を達成することに夢中になりすぎて、えっと、寂しさとかそういえばそうでしたね、うん、でもそんなうちに旅は終わってしまいました、とにかくまた行きたい!と次のことを考えている自分に気づく。

青森の旅行もそんな感じで、昼間は美術に夢中だったし、夜は夜で地方のお酒とおいしいもの散策に余念がなかった。

十和田市で宿泊することに決め、近頃はまってきた日本酒を買いにお店を探していると、偶然ワインショップを見つけてしまった。
え、青森のしかも十和田市のワインショップ?
ホテルから近いこともあり、行ってみることに。ソムリエナイフとマイグラス(とうとうリーデルの脚のついてないのを買ってしまった)をしっかりと荷物に仕込んで行った。アイライナー忘れても、そういうものはしっかり荷物に入れてしまう自分の欲望に我ながら呆れる。
しかし、残念なことでソムリエナイフは空港の搭乗口で没収。あ、凶器になるんですね。

気を取り直して酒屋に向うと、カントリー調の店構え。オレンジ色の照明がとても暖かそうに見えたので吸い込まれるように中に入った。
棚に並ぶワインを見ていると、こってり目にメイクした初老の婦人がでてきて、ワインですか?とたずねられたので、まぁ、いろいろ見たいんです、というとご亭主が出てきて、地下のワインセラーに案内してもらった。
細く狭い階段の先はひんやりとした闇。戸口からこもれる光が、ずらりと並ぶワインたちのガラス瓶の冷たさをより増幅させる。
亭主に懐中電灯の光で照らしてもらって、ワインを見る。ブルゴーニュ、ボルドー、ローヌ、スペインイタリア・・・一通りある。奥には1970年代、80年代のワインたちがカビや埃にくるまれて深い眠りについているように見え、寝息さえも聞こえてきそうだった。
青森は年間を通して気温が低く、地下は気温を一定に保ち、振動も少ないので、ここはワインを寝かせるには絶好の場所だということだった。

目移りしてしまって、選びかねているとご亭主と奥さんがあれやこれやとすすめてくれ、旅の疲れを癒すにはちょっとやさしいほうがいい、ということでブルゴーニュのワインを選んでくれた。
南部の優しいなまりでワインをすすめてもらうのは心地よい。

青森といえば津軽弁が有名だけれど、地方によって言葉がまったく違うらしく、十和田のある南部の人たちは、怒ったように聞こえる津軽弁よりはずっとソフトで、当人たちに言わせれば、標準語に近いらしい(それには異論を少し唱えておいたけれど)八戸はもっとよりマイルドな感じになるそうだ。

毎日ワインしか飲まないという初老のご夫婦(失礼ながら、一般にワイン=オシャレのイメージは成立しない、おばあちゃん、おじいちゃんといった風情)のやわらかい訛りで言われる「このワインはおいしいよ」が耳を心地よく撫でられて、いろいろとお話をしているうちに30分以上もワインショップに滞在してしまった。
このご夫婦は、店に入れるワインのほぼすべてを二人で試飲しているらしい。2、3日かけて一本のワインを開ける。勉強というのを口実にしながら。
話をきいていて、とてもあたたかな気分になった。

晩御飯を食べたあとに、ホテルでワインを飲んだ。きゅっと締まったベリー系の果実味がとても美しかった。
冷たい雪の中で見た、東北の作家たちの澄んだ、しかし力強い精神性を感じる作品たちを思い出しながらすするにはうってつけの味。

深夜、つもりはじめた雪の気配を窓付近の空気の冷たで感じながら、暖かな暖房と加湿器の蒸気にくるまれつつ、美しい酔いのなかに身を浸すようにして眠りについた。
寒い地下でひっそりと、永きにわたる夢を見るワインたちと同じような、深い眠りに。



→青森美食編に続く

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青森で飲んだブルゴーニュ

ちなみに、一人で飲みきれなかったので持って帰ろうとしたはいいけれど、飛行機の搭乗口でまた引っかかりそうなので、ペットボトルに移して持って帰った。お水のボトルの中に入れたら怪しまれそうなので、わざわざ色の近いJAWAティを探すなどちょっとした苦労したかいがあってか、見事3日目に味が開花。素晴らしい後味に。

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うわさのワインセラー
こういう時に、ワインに詳しい人と一緒に行きたいと思う。